簡易評価
書きやすさ総評:4/5点

※書きやすさの観点から評価。総評への影響度は項目により異なる。
書き味総評:3/5点

※書き味の観点から評価。総評への影響度は項目により異なる。
概要
種類 | 多機能ペン |
機構 | ノック式 |
軸材 | 木(樽)、ABS樹脂 |
他素材 | 真鍮? |
シャープペン:用途 ボールペン:初期リフィル仕様 | 一般筆記 油性インク |
シャープペン:芯径 ボールペン:リフィルサイズ | 0.5mm 0.7mm |
シャープペン:消しゴム ボールペン:対応リフィル | S SXR-80シリーズ |
ラインナップ | ブラック |
価格 | 2,000円(税抜) |
発売 | 三菱鉛筆 |
ピュアモルト4&1は、三菱鉛筆より発売されている多機能ペンです。
4&1の名が示す通り、4色のボールペン(黒、赤、青、緑)とシャープペンシルがそれぞれ備わっています。
また、グリップ部分のみ木軸となっており、数十年間、ウイスキー樽として使用されていたオーク材が用いられています。
価格は2,000円(税抜)と多機能ペンとしては安くも高くもないくらいの立ち位置となっています。
使用感
長さ | 148.7mm | グリップ径 | 13mm |
クリップまでの長さ | ボールペン:97mm シャープペン:84mm | 最大径 | 18.5mm |
重量 | 25.2g | 先端の長さ | 3mm |
重心位置 | 67mm | 回転のさせやすさ | △ |
長さ・重量・重心のバランス
書きやすさ:4/5点 書き味:5/5点
ボールペン:

シャープペンシル:

25gもありますが、重量が先端付近に偏っていることに加えて、ジェットストリームインクが滑らかに筆記可能であること、太いので圧力が分散されることなどから、その重さを感じさせません。もちろん最上級クラスというわけではありませんが、日常的に使用していても意外と軽快に書けるペンとなっています。
実は記事にするために調べるまでは25gもあるとは思ってもいませんでした。そのレベルで気にならないです。
全長も長めですが、軸の後方に重い素材がほとんど使われていませんので、長さの影響で書きづらいということもないでしょう。
また、重さのおかげでこの項目においては書き味が満点クラスになっています。
握りやすさ・質感
書きやすさ:4/5点 書き味:3/5点
グリップにはウイスキーの樽が使われています。すなわち木軸グリップですので、使えば使うほど経年変化し使いやすくなっていくタイプです。
汗をかいても滑りづらいのは勿論、こちらはS20と異なり、最初から割と滑らずに握れるグリップとなっていますので、初期から問題なく使えると思います。
軽い印象を受けやすい樹脂と違い、木軸ですのでコツコツ感に与える影響も悪くありません。しかし、木が使われている部分は結構短めで、手の上側は樹脂部分に当たってしまうため、ここから安っぽさを若干感じてしまいます。
もう少し丁寧な加工がされていればずいぶん印象は変わってきたと思いますのでやや残念に思います。このペンに限らず、三菱鉛筆のペンは樹脂の加工が安っぽいものが多いような気がします。
クリップまでの長さ・形状
書きやすさ: ボールペン:4/5点 シャープペン:1/5点
シャープペン使用時は、このクリップを押して使用するためクリップが下がります。ボールペン使用時は基本は手に当たらない水準ですが、こちらはガッツリ当たるうえ、デカめのクリップで違和感も感じやすいため使いづらいです。
まぁ多機能ペンのシャープペンてほぼ使われない印象がありますし、私もほとんど使いませんが、もう少しどうにかならないのかと思ってしまいます。このペンに限らずあらゆる多機能ペンに言える話ではありますが。
芯・リフィルの筆記感
書きやすさ: ボールペン:4/5点 シャープペン:5/5点
シャープ芯はいくらでも変更できるので特にいうことありません。
ボールペンのリフィルはジェットストリームインクの0.7mmが搭載されています。
これでも使いやすいですが、0.7mmは滑らかすぎると感じる場面もあり、そもそも太いため、気になる場合は0.5mmや、ジェットストリームエッジ用の0.38mmなどに交換しましょう。
ジェットストリームインク以外への対応は特に明言されていないように思えますが、このインク自体使いやすいことで有名ですので特に困る場面もないでしょう。
ペン先の視界・ガタつき
書きやすさ:4/5点 書き味:3/5点
シャープペンもボールペンも特記するほど先端が細いわけでないため、めちゃくちゃ見やすいとかはありませんが、特に困るほどのものでもありません。
ガタつきはややあります。多機能ペンは先端が固定されているわけではなく、先端の太さがマッチしていたとしてもリフィルや芯タンクが細いですから、しなりやすくコツコツ感は残念ながらほとんど感じられません。書き味を期待して買うペンではないことは覚えておきましょう。
キャップ・内部のグラつき
書き味:5/5点
上部をノックするわけではなく、横の棒をスライドされる方式ですので隙間がほとんどなく、揺れが感じにくい構造になっています。
内部でも揺れも感じませんでした。
素材・剛性感
書き味:3/5点

先端に真鍮、先軸に木が使われているためここだけ見れば良さげですが、これより上がネジ部分含めて樹脂製なため、剛性感が感じづらくなっています。
芯タンクは金属製ですが、リフィルは樹脂製のものしか対応していませんので、コツコツ感に優れるとは言えないでしょう。
ノック感・音
割とよくある多機能ペンのノック感と音、機能で、別の色に変える時は、自動で前の色が戻る仕組みになっていますが、この時の音が響きます。静かな空間でカチカチ変えて使うと悪目立ちしそうですので少し注意が必要です。
一応、手で押さえておくとほぼ無音で変えることができます。
耐久性
ネジ部分が樹脂製なため、割れやすそうに思えます。無理に締めたり、分解中に落としたりしないように気をつけましょう。
利便性
リフィル径は公式には、0.7mm、0.5mm、0.38mm、0.28mmのものが対応しています。その一方でインクの色は黒、赤、青、緑(0.7、0.5mmのみ)の基本的な色しか対応していないのでやや不便です。今後追加されていくことに期待です。
デザイン
遠目で見ればかなりカッコいいですが、近くで見ると樹脂部分のライン線がたまに気になります。せっかくノック部分が黒をベースにそれぞれ色が入っていたり、軸が樽材が使われたりで工夫がなされているのに勿体ないです。もうちょっとしっかり作って欲しかったなと思ってしまいます。
また、軸の樹脂部分は指紋や脂が付くと目立ちやすいため、普段から綺麗に見せたい方は使用したら拭くなどで対処しましょう。
書きやすさ総評
評価:4/5点
25gありますが、先端付近に重さが集中していることやインクが滑らかなことなどからあまり気になりません。結構書きやすい部類と言えます。
クリップのみ気になる点で、持ち方によってはシャープペン使用時以外でも手に当たっちゃうので短めなら良かったなと思ってしまいます。それでもなお書きやすく使いやすい多機能ペンことには変わりありませんが、リニューアルされる機会があれば改善されることを願います。
書き味総評
評価:3/5点
重さのみは高評価ですが、他が良いための条件を満たせていないため、あまり質が良い書き味ではありません。
そもそも多機能ペンの性質上、先端がガタつきやすく芯タンクやリフィルがしなりやすいので、書き味を求めて使用すること自体が間違いですし気にするほどのことでもないでしょう。
総括
ピュアモルト4&1は、使用感に優れた多機能ペンです。
デザイン的な惜しさはありますが、逆に躊躇いなく普段使いしやすいため、その点でも優れるとギリ言えるでしょうか。2,000円もするのだから、せめてパーティングラインを見せないくらいの仕上がりにはして欲しかったと思ってしまいますがね。
それでも書きやすいことに変わりはないため、購入してみても良いと思える一本となっております。
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