簡易評価
書きやすさ総評：5/5点
※書きやすさの観点から評価。総評への影響度は項目により異なる。
書き味総評：4/5点
※書き味の観点から評価。総評への影響度は項目により異なる。
概要
| 種類 | シャープペンシル |
| 機構 | ノック式 |
| 用途 | 一般筆記用 |
| 軸材 | アルミ |
| 他素材 | 真鍮 |
| 消しゴム | KAWECO-10001047 |
| 芯径 | 0.3 / 0.5 / 0.7 / 0.9 / 2.0 (mm) |
| ラインナップ | マッドブラック,限定色 |
| 価格 | 6,500円（税抜） |
| 発売 | プリコ株式会社 |
プリコ株式会社により発売されているカヴェコシリーズのペンです。
その中でも絶大な知名度を誇り、カヴェコ=スペシャルペンシルと思っている人も少なくはないでしょう。
特徴的な軸をしていて、見る角度によりマットな質感に見えたりツヤツヤに見えたりする面白い加工がされています。
価格は6,500円(税抜)と、シャープペンとしてはかなり高級なペンに分類されるでしょう。
追記：ノック部分の素材変更について（真偽不明）
※この情報は公式から発信されているわけではないので一つの可能性程度に捉えてください。
Xで見ただけという信憑性に欠けすぎる情報ですが、ノック部の素材が真鍮製から樹脂製へと変更されるというウワサがあるようです。（ただし天冠の素材はそのまま）
これには色んな意見があると思いますが、よほど樹脂が適当な作りでない限り、個人的には嬉しい変更だと思っています。
というのも、最近よく耳にする「慣性モーメント」（回転のしにくさの指標）から考えた場合、真鍮という重い素材から樹脂という軽い素材へ変更されることで、慣性モーメントの値は小さくなります。つまり、回転しやすくなるため、今まで以上に軽快に書きやすくなると考えられます。
また、最上部が軽くなるため、総重量が軽くなるのは当然として、重心にも良い影響を与えます。現在よりもやや低重心になるので、こちらの点からも書きやすくなると言えるでしょう。
もちろん小さい部品ですので大きな変化にはならないと思いますが、「慣性モーメント」と「重心」という書きやすさに大きく影響を及ぼす２つの点において、より書きやすくなることが想定されるため、この変更は前向きに捉えて良いと思っています。
冒頭でも述べた通り、公式の情報ではないためそもそも変更されない可能性も大きくありますが、これが本当の場合は「書きやすさ」から考えたら悪い変更ではないどころか良い変更ですので落胆する必要はありません。作りが雑になるとかあれば話は別ですけど、これだけ高価なペンですから丁寧に作られるでしょうし、ポジティブに捉えておきましょう。
使用感
| 長さ | 140mm | グリップ径 | 10mm |
| クリップまでの長さ | – | 最大径 | 10mm |
| 重量 | 16g（2.0mm対応ペンのみ20g） | 先端の長さ | 2mm |
| 重心位置 | 64mm | 回転のさせやすさ | △ |
長さ・重量・重心のバランス
書きやすさ：5/5点 書き味：3/5点
高級ペンという位置付けにも関わらず、全体的にバランスが取れていて非常に扱いやすいペンです。
先端とキャップに真鍮が使われ、軸自体は軽いのでペンの回転そのものは軽快とまではいきませんが、低重心設計なため重さをほとんど感じることなくスラスラと筆記できます。
高速で筆記する場面であっても問題なく使用できるでしょう。
握りやすさ・触り心地
書きやすさ：4/5点 書き味：5/5点
丁度良い太さで、八角形のグリップによってがっしりと握ることができます。六角形だと手に食い込んで痛むということがありますが、こちらはそういった心配もありません。
ただ、特別グリップ力が強くはないので、汗をかいた状態だと若干滑りやすい可能性があります。
また、塗装が取れやすいのか、手にザラザラとしたものが付着しやすく、少し気になるかも知れません。
芯の筆記感
書きやすさ：5/5点
初期芯でも特に問題なく書くことができました。引っかかる機構でもないため滑らかな筆記が可能です。
クリップまでの長さ・形状
書きやすさ：5/5点
クリップは付いていません。よって、手がクリップに当たる心配は完全に不要でストレスフリーな筆記が可能です。
別売りでクリップを買うことはできるので、買う機会があれば別途評価したいと思います。
ペン先の視界・ガタつき
書きやすさ：4/5点 書き味：5/5点
口金はペン先に向かって細くなる形状です。加えて2mmのガイドパイプもあるので見やすい部類に入ります。
ガタつきは完全に無く、口金のネジ部分にはOリング（オーリング）と呼ばれるゴムがついているので、書いている時にネジが外れてくるという事態も起こりません。
キャップ・内部のグラつき
書き味：1/5点
書いている時に分かるくらいキャップがグラつきます。気になる場合はテープで補強するなどで対処が可能です。
素材・剛性感
軸の内部は樹脂だったりキャップのOリングが結局グラつくので意味なかったりで気になる点は少々ありますが、口金部分や先端に真鍮が使われていて、先端のOリングはしっかり作用しているので重要な点は良い感じに作り込まれています。
素材もアルミや真鍮と金属が多く使われていて物質だけで見ると剛性感は高めです。
ノック感・音
上部が若干尖っているため連続でノックすると痛い時があります。
音は特段変わったものではなく、しっとりとしています。
耐久性
ガイドパイプはありますが2mmと短めなので基本折れることはなさそうです。
塗装に関しては剥げやすいそうですが、経年変化の一つとして楽しむのが良いでしょう。
利便性
クリップが付属していないため、挟んで使いたい場合、別でクリップを購入する必要があります。
キャップ内部に消しゴムが入っていますが、クリーナーピンは付属していませんでした。
0.3 / 0.5 / 0.7 / 0.9 / 2.0mmの5種にそれぞれ対応したペンが発売されています。非常に対応する種類が多いので、自分の好みの芯径から選んで使っていけます。
デザイン
非常に高級感が感じられるペンです。軸の塗装が特殊なことに加えて、キャップの銀色の部分は象嵌という手の込んだ方法で作られています。凝ったデザインであることは疑う余地がないでしょう。
ただ、軸には指紋がつきやすく、そういった汚れのつきやすさは気になるところではあるでしょうか。
また、どうやら製造場所によって完全に黒いものとやや青みがかったものとで色に違いが表れるそうなので、色味を気にするのであれば実物を見て買うことをオススメします。
書きやすさ総評
評価：5/5点
低重心型の非常に書きやすいペンです。重量バランス等から、あらゆる場面で汎用的に使える種類のペンであることがわかります。
書き味総評
評価：4/5点
チャック部分や先端部に真鍮が使われていて、表面自体も金属のアルミですから、そこそこの剛性感を感じさせます。
ただ、芯タンクは樹脂でアルミも柔らかい金属、重量もそこまでではないので、最上級の剛性感を誇るペンには劣るでしょう。
総括
カヴェコスペシャルは、書きやすさに優れるうえ、悪くない書き味を提供してくれるシャープペンです。特に、低重心設計と絶妙な重量感により、高速筆記からゆったりと書く場面まで幅広く使いやすい点が魅力的です。
一方で、グリップを握ると手に何か付着する感覚は好みが分かれるでしょうし、なにより価格が高めなので、そういった点が気になるのであれば他にも書きやすいペンはたくさんありますのでそちらをオススメいたします。
それでもこのペンならではの高級感と高価なのに書きやすさも両立している点は非常に魅力的ですので興味があれば買っても損にはならないでしょう。
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