簡易評価
書きやすさ総評:4/5点

※書きやすさの観点から評価。総評への影響度は項目により異なる。
書き味総評:3/5点

※書き味の観点から評価。総評への影響度は項目により異なる。
概要
種類 | ボールペン |
機構 | ノック式 |
グリップ素材 | アルミ |
他素材 | 真鍮・ABS樹脂・ステンレス |
初期リフィル仕様 | 油性インク |
リフィルサイズ | 0.28mm・0.38mm |
対応リフィル | SXR-203-28 |
ラインナップ | ブラック・シャンパンゴールド等々 |
価格 | 1,000円(税抜) |
発売元 | 三菱鉛筆 |
ジェットストリームエッジは、三菱鉛筆より発売されているノック式のボールペンです。
比較的最近(とはいえ6年前)に発売されたモデルで、油性にして0.28mmのボール径を実現した世界初のボールペンとなっています。
価格は1,000円(税抜)とボールペンの中では中程度になっています。
ポイントチップ

※左:標準的なチップ 中央:ポイントチップ 右:シャープペンのガイドパイプ
画像中央の通り、先端に向かって曲線を描きながら細くなるタイプのチップが採用されています。
シャープペンのガイドパイプと比べても匹敵するくらいには視界が確保され、0.28mmで書くことが想定される小さな文字でもクリアに見通せるようになっています。
使用感
全長 | 140mm | グリップ径 | 10.5mm |
クリップ距離 | 97mm | 先端長 | 3mm |
重量 | 13.5g | 慣性モーメント | ◎ |
重心 | 58mm | 特記事項 | – |
長さ・重量・重心のバランス
書きやすさ:5/5点 書き味:2/5点

グリップ部分のみに重たい素材が使われ、残りは樹脂製ですので、慣性モーメントに優れるための理想に近い重量配分となっています。
加えて重心位置も先端から58mmとかなり低く、それでいて重量もと軽めなため非常に書きやすいと言えるでしょう。
もちろん軽いということは書き味的にはよろしくありません。遠目で見ると贅沢に真鍮が全体的に使われているようにも見えますが樹脂の割合が圧倒的で、完全に書きやすい系のペンです。
握りやすさ・質感
書きやすさ:2/5点 書き味:4/5点
このペン最大の欠点がこの項目になります。グリップが滑りやすい金属で、ライン線が入っているものの縦線なので滑り止めとしての効果はなく、完全にデザイン全振りグリップとなっています。
一応先端に向かって太くなっているので滑り止め効果がないわけではありませんが、焼け石に水です。乾燥している時なんかはまったく効果を発揮しません。
もし滑らない加工がしっかりされていればボールペンの中でナンバーワンクラスの書きやすさを持ったペンと言えたと思うので残念です。
書き味的には金属の感じがしっかり伝わってくるので悪くはありませんが、グリップより上が樹脂感強めなため、そこから伝わる触れ心地が減点ポイントになっています。まあ書き味を求めるペンではないのでここはどうでも良い話ではありますがね。
クリップまでの長さ・形状
書きやすさ:5/5点
当たったら違和感ありそうなクリップですが、まず当たりません。距離が結構ありますので。
よって、特に影響はないでしょう。
芯・リフィルの筆記感
書きやすさ:4/5点
特に0.28mmはですが、油性ボールペンらしくないザラザラした書き心地です。嫌いな方もいそうですが、ちょうどいい摩擦感が得られて書きやすさに貢献しているインクだと思います。
ペン先の視界・ガタつき
書きやすさ:5/5点 書き味:3/5点
前述の通り先端に向かって見やすくなっているタイプのチップですので視界は良好と言えるでしょう。もちろん製図用シャープペンのガイドパイプには流石に劣りますが、十分見やすいです。
ガタつきに関しては、ボールペンの特性上どうしてもあります。テープで補強もできますが、ノック感が悪くなるし、多少のガタつきを気にするようなペンでもないためその必要はないでしょう。
キャップ・内部のグラつき
書き味:3/5点
1,000円級のペンですが、ノックしたキャップが戻らないタイプです。その影響もあり普通にグラつきます。内部のグラつきもややあります。
ただ、何度か述べている通りガタつきとかグラつきを気にするような書き味に特化されたペンではないし、動いて干渉する部分は全て樹脂製ですのでそこまで響きません。気にしなければどうとでもなる程度です。
素材・剛性感
書き味:2/5点

公式の表記上分からにくいですが、おそらく先端のみ真鍮、グリップはアルミ、クリップがステンレスでそれ以外は全て樹脂製です。
先端付近だけはコツコツ感が得られそうですが、ネジすら樹脂製なため一般的なペンの枠組みに収まっています。
また、リフィルが多機能ペンに使われるような細いもので、これもまた樹脂製でしなりを強く感じ、コツコツ感に良くない影響を与えています。
ノック感・音
割と一般的なボールペンと変わらないノック感・音です。個人的にはもう少ししっかりしていて欲しかった感はありますが、下手に上部を工夫しようとすると重くなってしまうのでこれでも良いと思っています。
耐久性
軸のネジ部分も樹脂製ですので無理矢理締めたり乱雑に扱ったりすると壊れやすいと思われます。慎重にとまではいかなくても、そういった雑な扱いはしないようにしましょう。
利便性
ポイントチップのリフィルは0.28mmか0.38mmの対応ですが、同じ形状のリフィルは0.5mm、0.7mmにもあるので結構汎用性が高めです。
ただ、インクの色は黒、赤、青の基本的な3色しかありません。今後追加されていくことに期待です。
デザイン

三菱鉛筆にありがちなパーティングラインの目立ちさえ気にしなければ相当カッコいい部類だと思います。カヴェコスペシャルなんかと並べても見劣りせず、そこまで高くないけど高級ペンとして使えそうな雰囲気があります。
それだけにこのパーティングラインが本当に残念で仕方ありません。
また、独特なクリップの形状でこれもオシャレですが、角っこが樹脂のボディに食い込んじゃっています。普段見えないので良いっちゃ良いですがやや気になるところです。
2,000円くらいになってもいいんでここら辺が改善されたモデルが出て欲しいと思ってしまいます。
書きやすさ総評
評価:4/5点
ボールペンの中では相当書きやすい部類です。唯一グリップの滑りやすさが気になってしまいますが、手が乾燥していなければ本当に最上位クラスの書きやすさだと思います。
乾燥していたとしても使えないことはなく、これより使いづらいペンの方が圧倒的に多いですので、デザインが気に入ったら普段から使っていってもあまり不便に感じないと思います。
書き味総評
評価:3/5点
基本樹脂製で軽いため書き味には全然優れません。
ペン先のグラつきなんかもボールペンの中では少ない方ではありますが、リフィルが細い樹脂リフィルなためコツコツ感が伝わりづらく、いずれにせよ書き味に優れると言えないでしょう。
総括
ジェットストリームエッジは、1,000円級のボールペンにしては珍しく低重心でかなり軽快に書けるペンとなっています。
0.28mmのインクは好き嫌いが分かれるポイントな気がしますが、その場合は0.5mm、あるいは0.7mmのリフィルに変えて使うのもアリだと思います。0.28mmだとたまに掠れますが、字が潰れずに程よい摩擦感で書けますので個人的にはオススメです。
グリップの滑りやすさだけは大変残念ではありますが、それでもかなりオススメできるペンと言えるでしょう。
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