uniball ZENTO(ユニボールゼント)シグニチャーモデル:評価レビュー

文具評価

簡易評価

書きやすさ総評:4/5点

※書きやすさの観点から評価。総評への影響度は項目により異なる。

書き味総評:4/5点

※書き味の観点から評価。総評への影響度は項目により異なる。

概要

ユニボールゼント シグニチャーモデルは、三菱鉛筆より発売されているキャップ式のボールペンです。

2025年2月に、スタンダードモデル、フローモデルと共に発売された比較的新しいボールペンで、このシグニチャーモデルに関しては未だに売り切れが続いており入手難易度がやや高くなっています。この個体もたまたま見つけて購入できた代物で、それ以外では一度しか目撃したことがありません。これからはどんどん入荷されていくのでしょうか。

価格は3,000円(税抜)とボールペンの中ではやや高め程度になっています。

ZENTOインク

近年では、ボールペンのインクと言えば油性かゲルインクで、水性インクは下火になっていたわけですが、突如改善されて新登場したのがこのZENTOインクです。

水性インクは基本的に粘度が低くスラスラ書ける特徴がありますが、滲みやすいかったり乾きにくかったりで弱点も目立つものでした。しかし、このZENTOインクでは更なる柔らかい書き心地、耐水・耐光性、にじみ・裏写り防止を実現しているようです。

この評価レビューではあくまで重心とか長さなどのペン側の評価という側面が大きいため、この辺の比較や性能調査は行っていません。機会があればまた別記事でインクの比較など行います。

使用感

長さ・重量・重心のバランス

書きやすさ:4/5点 書き味:5/5点

キャップ有:

キャップ無:

上記の画像の通り、キャップが有るのと無いのとで特性が全く異なります。

特に、重心位置はその影響が顕著でキャップがあると真ん中付近にありますが、キャップ無しだと先端から45mmと異例の低さになっています。

また、長さや重量とそのバランスも大きく異なるためもはや別のペンと言っても過言ではありません。

ではどちらが軽快に書けるかという話になりますが、当然重量が軽いキャップ無しの方が優れます。が、重心があまりにも低すぎるため、取り回し、所謂慣性モーメントが優れているかといえばそういうわけでもなく、長期筆記においては、やや重いものを直接動かしているような感覚になります。それでもペンの全長が短いですので、まぁ割と書きやすいかなくらいの水準です。

一方、キャップ有りでは重量配分が優れず、重心が低いわけでもないためそこまで書きやすいわけでもありません。とはいえお高めのボールペンとしては割と低重心寄り、キャップをつけても全長の短いペンですから、慣性モーメントへの影響が少なく、どちらにせよそこそこ書きやすいと言ってもいいかなくらいの水準です。

したがって、一応書きやすさはキャップ無しの方が勝りますが、どちらの形態で使用するかは完全に好み、あるいはその時の気分で変えても良いでしょう。キャップの取り外しだけで特性を変えられるので、そういう意味では便利かも知れません。

ここまでは書きやすさの観点での話ですが、書き味については当然ですが重い方が良く、こっちを気にする場合はキャップ有りでの使用がオススメです。重さも20g以上あるのでこの項目では良い書き味と言えるでしょう。

握りやすさ・質感

書きやすさ:4/5点 書き味:4/5点

グリップ表面は塗装された樹脂ですが、自然に握ることができます。ただ、特別グリップ力が強化されているわけではなく、サラサラ気味であるため、めちゃくちゃしっかり握れるとかそういうものではありません。それでも普段使いで特に気になる要素もなく普通に使えるため、良いグリップと言っても差し支えはないでしょう。

クリップまでの長さ・形状

書きやすさ:               キャップ有:2/5点 キャップ無:5/5点

キャップが無ければクリップも無いため気になることはあり得ませんが、キャップ有りだとクリップまでの長さが先端から83mmしか無いため、筆記時に手に当たることが結構あります。その上、クリップの先端がフックのように曲がっていて、ここが手に当たるため結構違和感があります。

このクリップに当たるのが苦手な場合はキャップを外しての使用をオススメします。

芯・リフィルの筆記感

書きやすさ:4/5点

水性インクかつインクの改善により、粘度のようなものは全く感じず、まさに水で書いているような感覚です。

とはいえ、0.5mmでは多少はにじみ、ドバドバ出るので滑らかすぎると感じることもあります。持ってないのでわかりませんが、0.38mmだと丁度良いかも知れません。

ペン先の視界・ガタつき

書きやすさ:4/5点 書き味:5/5点

一般的な先端の形状なため、そこまで見やすいわけではありませんが、普通に利用はできます。

ガタつきに関しては、個体差により揺れ場合があります。ですが、ペン自体の問題というよりはリフィル側の問題ですので、気になる場合は複数リフィルを購入し、合ったものを選んで使用するのも良いかもしれません。また、ガタつく場合でも書きやすさを損ねるレベルでは全くなく、意識してようやくわかる程度だと思います。書き味に関しても完全にガタつかないシャープペン上位層に敵わないというだけで、ボールペンの中では良い方だと思われます。

キャップ・内部のグラつき

書き味:5/5点

ノック式のボールペンはどうしてもこの項目に弱くなりがちですが、このペンはキャップ式、キャップ無しは勿論のこと、キャップを取り付けていても磁石で固定されるためグラつきは全く感じませんでした。

素材・剛性感

書き味:4/5点

先軸は表面こそ樹脂製ですが、内部に真鍮が使われ、ずっしりとした重みを感じるため、ここから感じる剛性感というのは悪くありません。ただし、その他のパーツは金属の量が少なく、あってもアルミ程度です。加えてリフィルも樹脂製ですので、ちょっと物足りなく感じるかも知れません。

ペンのネジ部分には補強パーツであるオーリングが取り付けられていますので、筆記中に勝手に分解されていく等の心配は無用でしょう。

ノック感・音

ノック機構ではないためキャップの取り外しに言及しますが、磁石でくっついてるタイプですので少し力を入れるだけですんなりカチッと外すことができます。つける時も磁石に吸い寄せられるようにくっつくので結構気持ちいいです。

耐久性

特に壊れやすいの部位はないですが、表面の塗装部分は結構簡単に傷がつきそうですので、ジャラジャラといっぱいペンの入ったペンケースで保管するのはあまりオススメできません。個別に保管できるようなケースだと傷の心配なく使っていけると思います。

また、キャップの取り外しの際に、軸に擦るようなつけ方・外し方をすると軸が傷付く可能性があります。その辺にも注意しての使用を心がけましょう。

利便性

現状、芯径は0.5mmか0.38mmの対応で、インクの色も黒、赤、青の基本的な3色しかないためそんなに種類が豊富なわけではありません。今後追加されていくことに期待です。

一応、ユニボールワン系のリフィルも普通に互換性があったため、あっちのインクでも良い、またはむしろあっちの方が好きという場合は交換して使用するのも選択肢としてありだと思います。

デザイン

第一印象はミニクルトガダイブです。あちらはメカニカルな印象がありますが、こちらはボールペンということもあり、比較的大人しい印象を受けます。よって、子供から大人まで誰が使ってもカッコよく映るペンに思えます。

書きやすさ総評

評価:4/5点

キャップの有無で書きやすさの特性が結構変わりますが、どちらにせよ4点の範囲内かと思います。最上級の書きやすさを持つペンには及びませんが、ボールペンの中では重さの割に重心が低く、結構書きやすい方だと感じました。

個人的にキャップ有りだとクリップが当たって気になるため、キャップ無しで使用していますが、好みによって使い方を変えれるのは中々面白いポイントです。自分に合った使い方をしていきましょう。

書き味総評

評価:4/5点

こちらも最上級クラスには及びませんが、あまりガタつきグラつきが気にならずに重量感も程よくあるため悪くはありません。金属製のリフィルがあれば5点クラスになると思われますが、発売される日はくるでしょうか?

総括

ユニボールゼント シグニチャーモデルは3,000円クラスのペンにしては書きやすく、書き味にもそこそこ優れるペンです。

インクは好みが分かれるポイントでもありますが、ユニボールワン系のインクも対応していますので、そちらが好きなら交換して使用するのも良いでしょう。

デザイン的にはクルトガダイブとよく似ていますので、この2本をセットで使うと見映えが良く楽しく使っていけるかも知れません。

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