KURUTOGA Metal(クルトガメタル):評価レビュー

文具評価

2025.07.13追記:素材・剛性感の項目を5点→4点に修正

簡易評価

書きやすさ総評:4/5点

※書きやすさの観点から評価。総評への影響度は項目により異なる。

書き味総評:3/5点

※書き味の観点から評価。総評への影響度は項目により異なる。

概要

三菱鉛筆より発売されているクルトガシリーズのフルメタルボディシャープペンです。

フルメタルボディということで、先端から後ろまで金属が多く使われています。

これだけを聞くと重そうな印象を受けるかも知れませんが、アルミが大半を占めているため、重すぎることなく適切な重量感となっています。

価格は2,500円(税抜)とシャープペンの中では高価な部類です。

クルトガとは

「クルトガ」とは、筆記する度にペン先が回転する機構である「クルトガエンジン」を搭載したシャープペンのことです。

これにより、勝手にペン先が回転してくれるので、芯の偏減りを気にすることなく筆記が可能になっています。

その中でもこのモデルは「ニブダンパー」と呼ばれる衝撃を和げるパーツも搭載されていて、クルトガの中でも回転時のガタつきを感じにくい仕上がりとなっているのが特徴です。

使用感

長さ・重量・重心のバランス

書きやすさ:4/5点 書き味:4/5点

フルメタルボディと聞くと重い印象を受けますが、使われている素材がアルミなので印象よりは軽く、書きやすい部類です。

ただ、重心が低いわけではなく、先端とノックキャップには真鍮という比較的重い素材が使われているためめちゃくちゃ書きやすいとは言えません。

コツコツ感を感じるにはやや軽いので、書きやすさと書き味どちらの項目もギリギリ最上級クラスには及ばないといったところでしょうか。

だからといって悪い評価なわけでもないため、特に不快感なく使用できると思います。

握りやすさ・質感

書きやすさ:5/5点 書き味:5/5点

グリップはアルミですが、細かい引き目が横方向に入っているため滑らず握ることができます。

持った感触としても金属感が直で伝わってくるため、書きやすさ・書き味を損なわずに両立できている軸といえます。

ただ、ややローレット感のあるギザギザしたグリップであり、手の上部にちょうどクルトガ機構可視化部分が当たってたまに違和感を覚えるため、中には苦手と感じる方もいるかも知れません。

クリップまでの長さ・形状

書きやすさ:5/5点

形状自体は先端が反っていて当たれば気になりますが、高さ的に当たること自体稀ですので、書きやすさに影響はありません。

芯・リフィルの筆記感

書きやすさ:5/5点

初期芯でも特に問題なく使うことができます。この芯が苦手な場合は、自分の好きな芯に入れ替えて使いましょう。

ペン先の視界・ガタつき

書きやすさ:3/5点 書き味:2/5点

3mmほどの細いパイプがあり、軸に向かって段階的に太くなっていく形状ですので見やすい部類に入るでしょう。

一方、ガタつきに関しては「ニブダンパー」により、クルトガの中では比較的感じにくくなっています。

ただし、あくまでクルトガの中での話であってペン先が完全に固定されているものには及びません。

個人的な感想ではありますが、机に紙一枚置いての筆記ではそこまで気になりませんでしたが、ノートなどの筆記では他のクルトガとそこまで差異なくガタつきを感じました。

キャップ・内部のグラつき

書き味:5/5点

キャップは指で動かすことはできますが、筆記時にグラつく感じはありませんでした。

内部がグラつく感じもありませんでした。

素材・剛性感

書き味:4/5点

素材だけから考えると、金属が多く使われているため、持った時にそれなりの剛性感を感じられると思います。先端のガタつきがあるので書きている時は別ですが。

また、ガタつきがなかったとしても芯タンクが樹脂系の素材ですので満点クラスとは言えないでしょう。

ノック感・音

特に痛むとかそういったことはなく普通です。強いて言うならちょっっとだけ硬めな部類といえるでしょうか。

耐久性

前述の「ニブダンパー」についてですが、これは口金との間に潤滑油のようなものを使用することで衝撃を吸収する仕組みです。

発売からそれほど時間が経っていないため今後どうなるかは不明ですが、潤滑油が徐々に減少することで効果が薄れる可能性も考えられます。

利便性

キャップを外すと消しゴムがあります。クリーナーピンは付属していません。

クルトガ全般に言えることですが、筆記時に勝手に回転する機構なため、芯の偏減りを気にせず使用できるので、そこそこ便利です。

デザイン

軸は寒色系で、先端とノックキャップの黒色と相性が良いため、まとまりのあるデザインに思えます。

旧クルトガなどに見られた「クルトガシステム」の主張も抑えられており、メカメカしさというよりは、大人っぽいカッコ良さが感じられる構成となっています。

書きやすさ総評

評価:4/5点

そこまで悪くありませんが、重量配分(いわゆる慣性モーメント)的には優れているとはいえず、重心も低くないため、最上級クラスではありません。

ただまぁ50分間延々とノートに殴り書くような使い方でなければ普段から使っていける程度には優秀なペンでしょう。

書き味総評

評価:3/5点

ほとんどのパーツが金属となると書き味、コツコツ感に優れそうですが、ペン先が割とガタガタするため良い書き味とは言えません。

「ニブダンパー」による振動抑制はあれど、完全に抑え込めているわけではないため「書き味」を重視した場合はよろしいとはならないでしょう。

ただし、そこを重視しての筆記でなければほとんど気にならないため、クルトガ機構が好きだけどガタつくのが苦手という方にはオススメできるシャープペンです。

総括

クルトガメタルは、それなりに書きやすく、クルトガであるにも関わらずガタつきをあまり感じられないペンですので使っていて楽しいペンとなっています。

ただ、フルメタルボディだけど書き味に優れるわけではない、かといって凄く書きやすいわけではない、というように悪く言えばどっちつかずのペンではあるでしょうか。

それでも、書き味の総評でも述べましたが、クルトガ機構が好きだけどガタつくのが苦手という方には一度は試してもらいたい、そんなシャープペンです。

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