簡易評価
winner | |
価格差 | ヘキサゴナル |
機能差 | GRAVIUM |
書きやすさ | カヴェコスペシャル |
書き味 | GRAVIUM |
汎用性 | ヘキサゴナル |
総合winner:カヴェコスペシャル
価格と気にせず使えそう感はヘキサゴナルの方が上だが、書きやすさはやはり重要項目。書きやすいだけのペンにはもう飽きたというなら他2本(特にGRAVIUM)がオススメ。
それぞれの評価レビューはこちら:
GRAVIUM:https://bungukaiseki.com/gravium(グラビウム):評価レビュー/
カヴェコスペシャル:https://bungukaiseki.com/kaweco-スペシャルペンシルのレビュー/
ステッドラーヘキサゴナル:https://bungukaiseki.com/staedtler-hexagonal(ステッドラー-ヘキサゴナル):評価レビュ/
概要
今回は、しーさーさんの設計した実用性MAXシャープペン「GRAVIUM」と、書きやすい高級シャープペンとして有名な「カヴェコスペシャル」、鉛筆製造のノウハウを生かした作成された「ステッドラーヘキサゴナル」の3種類の多角形ペンの比較を行います。
本来は、GRAVIUMとカヴェコスペシャルの2本を比較するつもりでしたが、書き味と書きやすさで用途が違うよという結果になるのが目に見えているので、書き味に優れつつも普段使い可能な多角形ペン「ヘキサゴナル」も交えて評価することで混沌を極めてもらおうと思います。
それではさっそく見ていきましょう。
1. 価格差
ヘキサゴナル >> GRAVIUM > カヴェコスペシャル
GRAVIUM | 6,000円(税抜) |
カヴェコスペシャル | 6,500円(税抜) |
ヘキサゴナル | 2,700円(税抜) |
GRAVIUMやカヴェコスペシャルが6,000円以上する中、ヘキサゴナルは2,700円(税抜)と3,000円を切っていて、倍以上の差があります。
もちろんペン全体で見れば2,700円も高価な部類ですが、この中ではヘキサゴナルの圧勝といえるでしょう。
2. 機能差
GRAVIUM ≧ ヘキサゴナル > カヴェコスペシャル
全てのペンに機能といえるような特殊なものはありません。
優れるとするならクリップの取り外しが簡単なGRAVIUMでしょうか。ヘキサゴナルもおそらく可能でしょうが、固そうですし。ヘキサゴナルには硬度表示窓があるため機能性に優れると言えそうですが、特別便利とまでは言えない…というかぶっちゃけ使う機会があまりないと思いますし、GRAVIUMに軍配が上がるでしょう。
カヴェコスペシャルは、クリップが必要な場合は別途購入が必要ですし、硬度表示窓なるものもありませんので、明確に一段劣っています。
3. 書きやすさ
カヴェコスペシャル >> ヘキサゴナル ≧ GRAVIUM

ぶっちゃけここからが本題です。
この中で一番書きやすいペンは、カヴェコスペシャルでしょう。軽くて重心が低い上、クリップに手が当たる心配はなく、滑りやすいなどの問題も特にはないためストレスフリーで筆記が可能です。
次点でヘキサゴナルでしょう。このペンは重いわけではありませんが、重心位置が特別低いわけでもなく、重量バランスの配慮もされていないため、軽快に書きやすいペンではありませんが、GRAVIUMよりはやや書きやすいです。
そのGRAVIUMですが、今回は最下位となってしまったものの37gであることを考慮するとバカ書きやすい方で、クリップを外せばヘキサゴナルとの差は、長さや重心の関係などからほとんど無くなります。場合によってはこちらの方が書きやすいかも?
加えて、ヘキサゴナルとGRAVIUMはガイドパイプはそれぞれ4mm、3mmとカヴェコスペシャルの2mmより長く、グリップの滑り止め効果も優秀ですから、この2本の方が書きやすいという方がいてもまったく不思議ではありません。
そもそも、これらのペンは全てペン先のガタつきが少なく前述の通り全てにガイドパイプが搭載されていて、グリップ性能も優秀な部類なので、全体的にレベルが非常に高いです。
それでも他2本は、重量が軽くて最初から重心が低く、クリップへの接触心配がないカヴェコスペシャルには及ばない面も強く、流石はS20と並んで書きやすいことで有名なシャープペンと言えます。
4. 書き味
GRAVIUM >>> ヘキサゴナル >> カヴェコスペシャル
重量 | 素材 | |
GRAVIUM | 37g | 重い金属中心 |
カヴェコスペシャル | 16g | 軽い金属中心 |
ヘキサゴナル | 17.7g | 重い金属中心 |
言わずもがな、GRAVIUMが最強です。
37gという重さは圧倒的で、これだけで他2つを蹂躙できるレベルです。その上でペン全体の金属感が文句なし、ペン先のガタつきや内部等のグラつきなんかもほとんどありません(個体差もあるようですが)ので、ペン全体で見ても最強格といって差し支えないでしょう。
次にくるのはヘキサゴナルで、こちらも全体の金属感に優れてガタつきグラつきのないペンです。GRAVIUMには敵わないというだけでコツコツ感にめちゃくちゃ優れるペンです。
一番下になるのはカヴェコスペシャルでしょう。一番軽いですし、キャップのグラつきも気になりますし。
ただ、こちらの項目も全てのペンでガタつきがなく、金属量の多いペンなので、カヴェコスペシャル自体も全てのペンで見れば上位クラスで、全体的にレベルの高い戦いではあります。
5. 汎用性
ヘキサゴナル > GRAVIUM ≧ カヴェコスペシャル
この項目では、現実的にどのくらいの範囲で使えるか(例えば家だけでなく学校でも使えるか)や、どのように使っていけるか(落としたり雑に扱っても大丈夫か)で比較しています。
一番はヘキサゴナルでしょう。単純に割と売ってる範囲が広く、価格も安めなので盗まれる心配も少ないうえ、壊れても買い直しが比較的簡単だからです。よって、学校などでもそこそこ安心して使っていけると思います。
次にくるのは迷いましたがGRAVIUMです。こちらは買える場所がネットか一部店舗しかありませんが、発売当初と違い公式ページでも在庫があり、カヴェコスペシャルよりも価格が安いので買い直し等のハードルがやや低いです。また、傷なども相対的な話ではありますが、あちらよりは気にならなそうなので、学校等でも使用難易度が相対的に低いように思えます。
一番下にくるのはカヴェコスペシャルとしました。こちらは上二つと違って割と光沢感がある塗装ですので傷が悪目立ちしやすいのでジャラジャラとした筆箱には入れづらいこと、それから価格が一番高く、壊れても買い直しが難しい上、知名度と高級感ゆえに盗難の可能性も高いですので、注意が必要です。
6. デザイン
デザインの評価が人の感性で全く異なること、私自身のセンスが終わっていることを踏まえて、この項目ではあえて順位づけは行いません。正直、比較レビューからは消しても良い項目かなと思いましたが、GRAVIUMのデザインについて、カヴェコスペシャルに非常に似ていると言われることが多いように思えます。酷い時にはパクリとさえ言われてしまっていますので、その点について個人的に思うことを述べておきます。
私の個人的な意見としては、言うほど似ているか?と思っています。
確かに、画像でそれぞれを見比べると似ている気がしますが、実物を見ると太さが違うわキャップ部分も違うわで思いの外共通点が少ないです。そもそも、多角形のペンとなると当たり前ですが形が似るのは必然で、「視界から無駄を排除できるかつカッコいい色合い」を目指すと黒色になるのもこれまた当然、「できる限りコストを抑えて文字を見やすくする」には銀色のガイドパイプを搭載するというのも当然で、ここに類似点が現れるのは仕方のないことです。
その上で、軸の塗装方法や角数の違いやごちゃごちゃしていないシンプルなデザイン、取り外し可能クリップなど明らかな個性があり、しっかり差別化されているので、どう考えても独自性の高いペンです。(上から目線で申し訳ございません。)
むしろ、とにかく差別化と独自性のために、キノコみたいな形状の軸でキャップは虹色、本体はドドメ色でレリーフ加工の施されたようなわけのわからんペンが実用性MAXを謳って発表されても我々は困惑するほか無く、これならばパクりであった方がマシまであるでしょう。
また、パクリ云々の話でいうとヘキサゴナルも発売当初はカヴェコスペシャルのパクリかのように言われていたと思います。こちらもGRAVIUMと同様のことが言え、加えてヘキサゴナルは普通に考えてコンセプトが鉛筆にあるでしょうからカヴェコスペシャルのパクリとは考えづらく、もし開発者側にカヴェコスペシャルの意識があるとすれば、開発前に「多角形ペンのカヴェコスペシャルが売れているからうちも出してみよう」となったくらいにとどまるでしょう。
これらは全て、独自性が強く差別化の図れたペンです。パッと見の印象でパクりのように感じるかもしれませんが、それは優れたペンを作る上で仕方のないことであると、念頭に置いておきましょう。
総評
カヴェコスペシャル > GRAVIUM > ヘキサゴナル
私は書きやすさを一番重要な項目と考えているため、ここが優れ、そのカヴェコスペシャルをこの中で一番オススメできるペンとしたいと思います。
ただし、ほか2本は書き味がカヴェコスペシャルよりも圧倒的に優れるので、書きやすさはもう十分というのであればそちらをオススメします。
そうなってくると、個人的にはGRAVIUMがオススメです。ヘキサゴナルも良いペンですが、やはり圧倒的に書き味が優れるのはGRAVIUMですし、その上で書きやすさはあんまり変わらないのでこっちの方が楽しく使えるように思えます。
ヘキサゴナルは良くいうと汎用型、悪く言うなら中途半端…いややっぱりGRAVIUMの書き味が良い意味でおかしいだけでこっちも相当優れる部類ですが、まあこの中ではこういう位置付けになってしまいます。ただし、価格はほか2本よりも圧倒的に安く、限定色も含めるとカラーバリエーションもダントツですので、気になったものがあれば全然購入して良いと思います。
総括
総評では無理矢理順位付けしたようなもので、3本とも優劣がつけがたい素晴らしいペンです。
3本も一気に比較すればもっとわちゃわちゃさせて決定的な差をつけることができるかなと思ったんですが、それぞれ得意分野が違いますからそう簡単にはまいりません。
結局、それぞれの得意不得意を見て購入を決めるのが無難ではあるでしょう。その中でもカヴェコスペシャルは、軽快さに優れるため使いやすく、知名度的にも文房具好きなら手に入れておいても良いと思いますので、今回はカヴェコスペシャルを一番オススメとさせていただきます。
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