簡易評価
書きやすさ総評：4/5点
※書きやすさの観点から評価。総評への影響度は項目により異なる。
書き味総評：2/5点
※書き味の観点から評価。総評への影響度は項目により異なる。
概要
| 種類 | ゲルインキボールペン |
| 機構 | ノック式 |
| 軸材 | 樹脂、ラバー |
| 他素材 | 軽い金属 |
| 初期リフィル | 顔料ゲルインキ、シナジーチップ |
| リフィルサイズ | 0.3mm / 0.4mm / 0.5mm |
| 対応リフィル | 基本：LP3RF12S3 |
| ラインナップ | ブラック / レッド / ブルー / etc |
| 価格 | 200円（税抜） |
| 発売 | 株式会社パイロットコーポレーション |
ジュースアップは、パイロットより発売されているゲルインキボールペンです。
同社製品の「ジュース」よりも更に滑らかさが向上したインクが搭載されていて、0.3mm芯であってもサラサラと書くことができます。また、リフィル先端には「シナジーチップ」と呼ばれる、くびれがあってコーン状に広がる形状をしたチップになっているという特徴が見られます。
ボールペンの中では安価な200円（税抜）という価格設定となっています。
「シナジーチップ」について
図左：シナジーチップ 図右：コーンチップ
図の通り、よく見られる「コーンチップ」とは異なった形状をした「シナジーチップ」ですが、様々なメリットが見受けられます。
図には載っていませんが滑らかで細書きに適した「パイプチップ」と、安定感があり丈夫な「コーンチップ」の良いとこどりをしたようなチップとなっていて、それに加えて乾燥に強いというメリットもあるものとなっています。
公式には記載が見当たりませんが、「コーンチップ」と比べて見晴らしも良く、「ペン先の文字が見えない」というストレスから解放される利点もあり、良いことづくしのチップと言えるでしょう。
使っていてデメリットに感じる部分は特になく、大真面目に今ある「コーンチップ」採用のリフィルは全てこの形状に置き換わって欲しいと個人的には思っています。
使用感
| 長さ | 非ノック時：143mm ノック時：141mm | グリップ径 | 10.5mm |
| クリップまでの長さ | 96mm | 最大径 | 同上 |
| 重量 | 11.6g | 先端の長さ | 3mm |
| 重心位置 | 62mm | 回転のさせやすさ | ○ |
長さ・重量・重心のバランス
書きやすさ：4/5点 書き味：1/5点
重心位置や素材の重量配分的に、書いている時に重さを感じづらい構成となっているため、この項目では書きやすい部類に該当します。
ただ、先端のみ金属で作られている、いわゆる錘が先端部分に偏ったタイプですので、筆記していると段々と疲れが現れてくると思われます。加えて、後述しますがインクが大変滑らかなこともあり、上記の特性と合わさって制御するのに更に力が必要になってしまいます。
とはいえ、そこまで重い金属でもなく重量的にも軽い部類であり、長さも程よいため万人にとって使いやすいと言えるでしょう。
握りやすさ・触り心地
書きやすさ：5/5点 書き味：2/5点
グリップはラバー製で、太さも一般的ですのでブレることなく握ることができます。
触った感じはよくある硬めのラバーで、違和感などはありませんでした。
クリップまでの長さ・形状
書きやすさ：5/5点
クリップの位置は高めで、通常の持ち方では手に当たることはまずないでしょう。
形状の角ばりもないため、もし手に当たったとしても不快感なく使用できます。
挟みやすさに関しては、特別挟みやすいわけではないですが、開ける時に手が痛くなる等の問題はありませんでした。樹脂製ですので劣化による耐久性の問題はあるかも知れません。あくまでそこは値段相応といったところでしょう。
リフィルの筆記感
書きやすさ：4/5点
0.5mm、0.4mm、0.3mmで滑らかに違いはあります（太いほど滑らか）が、いずれにせよ非常に滑らかです。
しかし、最初は滑らかでスラスラ書けて気持ち良いですが、紙との間に抵抗がなさすぎて、止めや方向転換に手の力を大きく使うことになってしまい、段々と疲れてきます。
また、インクがドバドバでますので、想定より線が太くなるかも知れません。
この項目は人によりかなり好みが変わってきそうですが、滑らかすぎず、線も太くならない0.3mmか0.4mmが個人的にはオススメです。
ペン先の視界・ガタつき
書きやすさ：5/5点 書き味：4/5点
「シナジーチップ」の形状が先端に向かって細くなっているため、ボールペンの中では非常に見やすくなっています。
ただ、ガタつきに関しては意識すればやや分かる程度にはあります。ボールペンはシャープペンと比べてガタつきの排除が難しいため仕方ない部分ではありますが。
キャップ・内部のグラつき
書き味：0/5点
キャップ部分の揺れがかなり感じます。気になる人にとってはかなり不快な要素となるでしょう。
構造的にテープでの軽減が困難なため、使用感を向上させることもできません。
多色ボールペンである「ジュースアップ3」と「ジュースアップ4」は上部にノック部がないため、「ジュースアップ」のインクが好きだけどガタつきが苦手という場合は、あちらの使用をオススメします。
素材・剛性感
書き味：1/5点
ほとんどが樹脂、グリップはラバー製ですので重量が得られず、剛性感を体感するには難しい素材構成となっています。ただ、この手の安価なペンには珍しいことに、先端は金属パーツで作られているので同価格帯では剛性感のある方でしょう。
ノック感・音
特にクセはなく、軽いノック感をしています。不快音などもありません。
耐久性
ほぼ全体が樹脂、グリップ部はラバーと割と劣化しやすい素材ですので高い耐久力があるとは言えません。
一方で、先端に関してのみ金属パーツですのでここが壊れることはほとんどないでしょう。
上記のことから、安価なペンの中では、壊れにくい方ではあると思います。
利便性
0.3〜0.5mmの太さがあり、全部で28色もラインナップされているため幅広く使いたいものを選ぶことができます。
対応リフィルは基本的にはLP3RF12S3シリーズです。ただし、交換用のリフィルは黒・赤・青の3色しかないようですので注意が必要です。
デザイン
基本は黒を基調としていて、洒落たデザインをしています。
この価格帯のペンにありがちなクリアな部分が一切なく、その辺もカッコ良さを引き立てているように思えます。
有名どころでいうと、「カヴェコスペシャル」や「S30」あたりと一緒に筆箱に入れていてもそこまで見劣りせず、おおよそ200円とは思い難いデザインをしています。
書きやすさ総評
評価：4/5点
ペン全体のバランスは優秀ですが、先端に重さが偏っていることや、リフィルの太さによっては滑らかすぎるが故に抑える力が必要なこと、ノック部のガタつきが大きいことから、最上級一歩手前くらいの書きやすさです。
ただ、「シナジーチップ」の性能と視界の良さに関しては、数あるボールペンの中でも相当優秀な部類です。
インクのドバドバかつスラスラ感やノック部のガタガタ等の人を選ぶ要素もそこそこあって、好みによって変わってくる面もありますが、書きやすいペンであることに間違いはないでしょう。
個人的には、0.5mmはインクが溢れすぎるので、0.4mmか0.3mmがオススメです。もっというと、0.3mmだと滑らかさが損なわれてジュースアップである意味があまり無くなるため、0.4mmが一番オススメです。ここも好みで変わってくると思いますがね。この手のペンは試し書きできる店も多いですから、自分に合ったものを選びましょう。
書き味総評
評価：2/5点
大した重量はなく、剛性感やペン先のガタつき、ノック部のグラつき全てを考慮して、書き味、いわゆるコツコツ感には優れていません。
この辺は安価なペンに期待してもしょうがないですけどね。
総括
ジュースアップは、安価なペンの中ではかなり作りが良く、書きやすさと滑らかさに優れたボールペンです。
ただし、滑らかすぎて逆に書きづらいこともままあるため、自分の好みに合ったリフィルの太さを選ぶことをオススメします。
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