※このレビューでは、書きやすさ・書き味などから総合的に比較を行っています。
簡易評価
総評:draw
win | |
価格差 | 通常タイプ |
機能差 | draw |
長さ・重さ・重心のバランス | draw |
握りやすさ ・触り心地 | draw |
クリップまでの長さ・形状 | draw |
芯の筆記感 | メタルグリップタイプ |
ペン先の視界 ・ガタつき | draw |
キャップ ・内部のガタつき | draw |
素材・剛性感 | メタルグリップタイプ |
ノック感・音 | draw |
耐久性 | メタルグリップタイプ |
利便性 | 通常タイプ |
※書きやすさ・書き味などを含めて総合的に判断。総評への影響度は項目により異なる。書きやすさに優れるペンは書きやすさ重視、書き味に優れるペンは書き味を重視して評価している。
概要
「オレンズ」と「オレンズ メタルグリップタイプ」は、両者ともにぺんてるより発売されているシャープペンです。
名前から大体察することができますが、「メタルグリップタイプ」は通常の「オレンズ」のグリップをメタルグリップにしたものです。
両方とも低重心で重量バランスがよく、書きやすさに優れたシャープペンシルですが、果たしてどちらの方がオススメと言えるでしょうか?結果は冒頭の簡易評価の通り「引き分け」となってしまいましたが、その理由を下記に述べようと思います。
vs1. 価格差
win:オレンズ
オレンズの価格は0.5mmで450円(税抜)、0.2/0.3mmで500円(税抜)と、やや安価になっています。
一方で、メタルグリップタイプの価格は全ての芯径で1,000円(税抜)と前者と比べて倍以上の価格差となっております。
一般的には文房具における1,000円は高価格帯に分類されるため、ここは「オレンズ」の圧勝です。
vs2. 機能差
draw
両者ともに一般筆記用で「オレンズシステム」搭載型シャープペンシル。ここに機能差はありません。
この「オレンズシステム」とは、芯が減るのに合わせて先端パイプがスライドする機構のことです。
詳しいことは省きますが、芯の大部分がパイプで守られていて、芯が減ると同時にパイプも沈むことで、常に芯折れを防ぎながら書くことができます。
どちらも設計は同じで、値段による性能の良し悪しもありませんので、この項目では引き分けです。
使用感
ここからはもう少し細かく見ていきます。詳しい評価は個別記事を参照して下さい。
vs3. 長さ・重量・重心のバランス
draw

双方共に低重心よりのペンとなっています。
ただし、メタルグリップタイプは名前の通り、グリップが真鍮製で重めになっているため、通常モデルよりも更に低重心となっています。
したがって、メタルグリップタイプの方が書きやすい、となるかと思いきやそんなこともなく、反対に通常タイプはほとんど樹脂製なため軽さではメタルグリップタイプを上回ります。
正直、低重心だがやや重いメタルグリップタイプと、低重心寄り止まりだが軽い通常タイプではどちらも書きやすさの度合いは拮抗していて、もはや好みの問題です。
小さい文字を書く場合は、先端に重さの偏っていない通常タイプがやや有利、並サイズの文字を長時間筆記する場合は重心が低いメタルグリップタイプの方がやや有利でしょうか。そもそも、重さも重心位置も極端な違いはありませんので手の大きさや持ち方による影響の方が大きく、完全に好みで決めて問題ないでしょう。
vs4. 握りやすさ・触り心地
draw

太さはどちらも程よく、差はありません。ただ、メタルグリップは樹脂よりも圧倒的に滑りにくく、この項目ではメタルグリップタイプが有利です。
更に、このメタルグリップは一般的なローレット加工とは違って突起が平らになっています。これのおかげで痛みが軽減され、握りやすくなっています。
ただし、どこまでいってもローレット加工はローレット加工、それなりの時間使用していると、やや痛みが伴う場合もあって気になるところはあります。
実際、私個人の感覚としてもローレットグリップよりも樹脂製グリップの方が不快感なく握れます。理論上は滑り止め効果が期待されるメタルグリップタイプの方が握りやすいですが、好みで完全に別れる項目であるのと、樹脂グリップもそこそこ滑りにくいため引き分けとします。
クリップまでの長さ・形状
draw
長さも形状も両方とも同じです。96mmと長めで、尖った形状でもないため、手に当たったとしても不快には思わないでしょう。
芯の筆記感
win:メタルグリップタイプ
常にパイプを引きずりながら書くため、通常のシャープペンと比較するとけっこう引っ掛かりを感じます。
どちらも同じ構造ですから、ここも引き分け…になるかと思いきや、実はメタルグリップタイプの方がやや引っかかりは感じにくくなっています。
その理由として、重さの違いが挙げられます。メタルグリップタイプは通常タイプより重たく、自重により紙に圧力がかかり、その分手からの力が必要なくなるため、引っかかりの感じが直接手に伝わりづらくなります。
ペン先の視界・ガタつき
draw
基本的な構造は同じで、3mmのパイプが搭載されているため視界の妨げはなく見やすいです。
ガタつき具合もどちらも同じくらいでややありますが、普段使いで気になるほどのものではないでしょう。
キャップ・内部のグラつき
draw
こちらもやはり同じ作りですから同点です。キャップが多少グラつく場合があります。
素材・剛性感
win:メタルグリップタイプ
こちらはメタルグリップタイプが優勢です。ほぼ樹脂でてきた製品と、グリップに真鍮が使われたものでは、後者の方が優れるのは当然でしょう。
ノック感・音
draw
ここも同じパーツですので変わりません。
耐久性
win:メタルグリップタイプ
金属グリップというだけで、樹脂よりは長持ちしやすいでしょう。
逆に、先端に重さが偏っていることから、落とした場合に先端パイプの折れる確率も上がりそうですが、普段はパイプをしまっておけますし、なにより相対的に重いというだけでペン全体で見ると大した重さではないため、ここの差は顕著には現れないでしょう。
利便性
win:オレンズ
対応芯やクリップなどに違いはないためこの項目でも正直なところ引き分けに近いですが、「メタルグリップタイプ」はローレット加工により、他のペンとの干渉はできるだけ避けたいものとなっています。
したがって、適当にどこでも入れておける「オレンズ」の方が利便性は高いと言えるかな、といった感じです。
デザイン
デザインに対する評価は個人個人で全く異なってきますので点数化はしません。
方向性がやや異なりますが、どちらも製図用シャーペンのような無骨さを感じさせるデザインとなっています。
総評
draw
比較で引き分けはあまり出したくないですが、これらは両者一長一短、完全にお好みで選んで問題ありません。
値段の差だとか、ローレットが好き嫌いだとかのちょっとした理由で決めて後悔するものでもないでしょう。
ただ、小さい字を書くためか、普段使いのためかに買うかが明確に決まっている場合、前者ならば通常タイプ、後者ならばメタルグリップタイプがややオススメでしょうか。とはいえ、メタルグリップの方は摩擦に強いため、想定以上に小さい字も書きやすかったり、通常タイプは軽いため長時間使用でも割と使いやすかったりでそう大きな差もなく、繰り返しになりますが自分の好みで決めるのが一番だとは思います。
総括
オレンズとオレンズ メタルグリップタイプは、両者ともに書きやすさに優れ、芯折れ防止が徹底されたペンであり最上級に使い勝手の良いペンです。
よって、優劣が付け難く「引き分け」と言う結果となってしまいました。
どちらを選んでも、芯を守るタイプのペンの中では間違いなく書きやすい部類ですので、自分の好みで決定しましょう。
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