概要
種類 | シャープペンシル |
機構 | ノック式、自動芯出し機構、オレンズシステム |
用途 | 一般筆記 |
軸材 | 前軸:ナイロン+鉄、後軸:ABS樹脂 |
他素材 | 先金&ノック部分:真鍮、クリップ:鉄 |
消しゴム | Z2-1N、PPE-2(0.2のみ) |
芯径 | 0.2mm / 0.3mm / 0.5mm |
ラインナップ | ブラック |
価格 | 3,000円(税抜) |
発売 | ぺんてる株式会社 |
オレンズネロは、ぺんてるより発売されている自動芯出し機構が搭載されたシャープペンです。
それに加え、オレンズシステムにより芯が守られるようになっているため、芯折れがほとんど起きないペンとなっております。
価格は3,000円(税抜)と、シャープペンの中では高めな部類で、ぺんてるのシャープペンの中では一番高価な値段設定となっております。
オレンズシステム&自動芯出し機構とは
このペンを構成する要素の中で非常に重要なのが上記の2点です。
まず、オレンズシステムとは何かについてですが、これは「オレンズ」の名を関するペン全て共通の機構で、芯をほとんど出さずに筆記可能なものとなっております。

上図のように、芯の大部分をパイプで守られていて、芯が減ると同時にパイプも沈むことので、常に芯折れを防ぎながら書くことができます。
これにより、0.3mm以下の細い芯径であっても、折れることなく筆記が可能となっています。
次に、自動芯出し機構についてですが、こちらはペン先を離すたびに芯が出てくる機構です。
画像や文章での説明は難しいのですが、パイプはしまった状態以外では、常に最大まで出るような軽い力が働いています。また、芯はパイプと連携して出てくるような構造になっています。
これにより、紙からペンを離した瞬間に、沈んだパイプが最大まで伸び、芯も同時にパイプ分だけ出てくるようになっています。よって、基本的にノックする必要なく使用ができます。
例外として、しまった状態からはノックで解除する必要があり、芯を変えた時は連続ノックで芯を定位置まで送らなければならないため、その場合にノックが必要になってきます。
使用感
長さ | 143mm | グリップ径 | 9mm |
クリップまでの長さ | 105mm | 最大径 | 12mm |
重量 | 0.2 / 0.3mm:18g、0.5mm:17g | 先端の長さ | 3mm |
重心位置 | 66mm | 回転のさせやすさ | △ |
長さ・重量・重心のバランス

重すぎず、そこそこ低めの重心で見かけ上はかなり良い数字配分ですが、ノック部分と先金は真鍮、長めの前軸に重量が偏っているため、取り回しには優れず、結果としてスラスラ書きやすいかと言われるとそんなことはないペンとなっております。
特に、斜めに持って書く方にとっては18gはそこそこ重い水準で、書きやすさの観点からは使いにくい印象を持たれるかも知れません。
もっとも、このペンは書きやすさや書き味にフォーカスしたわけではなく、利便性最重視でしょうから、ここだけで使いにくいペンと判断するのは軽率でしょう。
握りやすさ・触り心地
グリップはボコボコしていて、滑ることなく握ることができます。
触り心地は悪くありませんが、加工が取れやすいのか手に塗装がくっつくような感触は少しあります。実際のところは分かりませんが。
また、中央の部分が凹んでいますが、手の大きさによりますが、ちょうどここに当たるため若干違和感があります。気になる人にとっては気になる程度ではありますが、友達から借りれる状況だったり、店にテスターがあったりするなら、自分に合っている確認すると良いでしょう。
クリップまでの長さ・形状
105mmはかなり長めの設定で、書いていて手に当たることはほとんどないでしょう。
形状的にも尖った部分などはなく、万が一当たったとしても大した影響はないと思われます。
筆記感
前述の通り、常にパイプで芯が守られています。
ということは、常にパイプを引きずりながら書くことになり、通常のシャープペンと比較するとけっこう引っ掛かりを感じます。
ただ、できる限り引っかかりの違和感を取り払う工夫がなされているため、普通のペンで芯を出さずに筆記した時と比較すると、引っ掛かりを感じづらくはなっています。
それでも、好みの分かれやすい項目だと思われるので、もし試し書きできる機会があれば、こちらも試してみて、自分に合うか確認すると良いでしょう。
ペン先の視界・ガタつき
3mmのパイプが搭載されていて、先金も派手な色ではないため視界を妨げる要因はなく見やすいです。
ガタつきに関しては、機構上仕方のない部分ではありますが、たまに上下の動きが感じられます。書き味的には残念な点となりますが、書きやすさから考えた場合は、ほぼ誤差と言って問題ない範囲での揺れなため、特に気にすることなく使っていけるでしょう。
キャップ・内部のグラつき
キャップが多少グラつく場合があります。テープで補強できたので、気になる場合は改良しましょう。
ノック感・音
自動芯出し機構のペンは大抵そうなのですが、通常のシャープペンで、芯が入ってない時にノックする感覚に近いノック感です。慣れないうちは違和感を覚えるかも知れません。
耐久性
先端は自動芯出し機構を実現する構造になっていて、非常に繊細な部分となっていますので、落下などで衝撃を与えると壊れやすいように思われます。
先端のパイプも0.2〜0.3mmクラスとなると非常に細く、簡単に折れてしまいそうなので、できるだけ衝撃を与えないよう注意して使って行きましょう。
また、芯が無くなってくるとパイプが奥まで引っ込むようになり、壊れたような気がしますが、新しい芯を補充すれば元に戻ります。
利便性
キャップを外すと消しゴムがあります。クリーナーピンは0.2mm対応ペンのみ付属していました。
芯径は一般的な0.5mmと0.3mmに加え、更に細い0.2mmまで対応した種類があるため、自分の使用状況を考え、使いたいと思った芯径に適したものを選択しましょう。
素材・剛性感

単純な素材で見た場合、先端は真鍮、前軸は鉄が使われているため剛性感は悪くないのですが、塗装と自動芯出し機構の特性からコツコツ感はあまり感じられません。そういった方向性のペンではないので書き味を求めての購入はオススメできません。
デザイン
ブラックという渋い色ながら、メカメカしい外観をしていて男心がくすぐられるようなデザインです。
私が現在持っているのは0.2mmのみですが、金色で書かれた「0.2mm」がかなり気に入っています。
また、0.2mmのみ、クローバーの形を描いたクリーナーピンが搭載されていて、遊び心の感じられる面白い形状となっております。
過去にはガンメタルやブルー風の限定色があったようですが、そちらもまた少し違ったカッコよさがあります。
書きやすさ総評
評価:B
数字的に使いやすいのかと思いきや、想定よりも重く感じるため少し残念な評価となってしまいました。
ただ、グリップは握りやすくその他妨害される要因もないため、重さ以外はそれほど悪くはありません。
それ以上にこのペンには、折れることなく書ける点と、ノックが基本不要という点の2つのメリットがあり、特に0.2 / 0.3mmであれば、細い字を芯が折れることなく安心して書けるという、他のペンではそうそう見られない大きなメリットがありますので、評価以上に大きな価値があるペンです。
書き味総評
評価:C
やはりペン先の上下が気になります。ただ、0.5mm対応ペンだと先端の面積が広くなり、上下自体も気にならなくなるとのウワサがあるので、そちらだともう少し書き味が良いペンとなっているかも知れません。
総括
オレンズネロは、このサイトで言う書きやすさと書き味的には少し残念な結果となりましたが、独自の興味深い機構が搭載されていて、ニッチな需要を満たすことができるシャープペンです。
特に、0.3mm以下で自動芯出し機構とオレンジシステムの2つが搭載されているのは現状このペンだけですので、「細い芯径で折れにくくて使いやすいペン」が欲しいなどの要求があれば購入してみると良いかもしれません。
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